水のコラム
【プロ直伝】トイレのつまり解消にお湯は使える?効果的な対処法を解説
突然のトイレつまりに慌てて、市販の薬品を使ったり熱湯を流したりしていませんか?実は間違った対処法は、トイレを破損させるリスクがあります。
修理費用が数万円から数十万円かかる可能性もあるため、慎重な対応が肝心です。今回は、水道修理のプロとして培った経験から、トイレつまりの解消法について詳しく解説します。
特に「お湯を使う方法」に焦点を当て、安全で効果的な対処法をお伝えします。
トイレのつまりにお湯を使う前に知っておきたいこと
トイレつまりの解消法として、お湯を使う方法を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。実は、正しい知識と手順を守れば効果的ですが、間違った使い方は思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。時には便器を丸ごと交換しなければならないケースもあるため、まずは基本的な知識を押さえましょう。
トイレのつまりとお湯の関係性
つまりの原因となる物質を柔らかくする効果があるお湯は、特にトイレットペーパーや排泄物を溶けやすくする効果があります。
40〜60℃のお湯は、水と比べて物質を分解する力が強く、つまりの解消に効果的です。
また、適切な温度のお湯を勢いよく流すことで生まれる水圧により、つまりを押し流す効果も期待できます。
お湯と水圧の相乗効果で、通常の水では難しいつまりを解消できるかもしれません。
お湯が効果を発揮するケースと避けるべきケース
トイレのつまりは、原因によって対処法が異なります。お湯による解消が効果的なケースもあれば、逆効果になるケースもあるため、ケースごとに詳しく見ていきましょう。
お湯による解消が効果的なケース
- ●トイレットペーパーが原因のつまり(特に大量に流してしまった場合)
- ●排泄物によるつまり(固くなって流れにくい場合)
- ●水に溶けやすい物質によるつまり
- ●水溶性のトイレクリーナーが溶けにくくなったつまり
これらは基本的に水溶性のため、適温のお湯で柔らかくなり、流れやすくなります。
お湯を使用してはいけないケース
- ●スマートフォンやおもちゃなどの固形物
- ●おむつや生理用品
- ●ティッシュペーパー(水に溶けにくい)
- ●尿石や固形化した汚れ
- ●ペットの砂や嘔吐物
これらの場合、お湯を使っても変化が期待できない、またはかえってつまりを奥に押し込んでより深刻なつまりを発生させる可能性があるため、お湯の使用は避けましょう。
正しい温度設定と破損リスク
トイレに流すお湯の適切な温度は40〜60℃です。この温度帯であれば、便器を傷めることなくつまりを解消できる可能性があります。
熱湯は絶対に使用しないでください。陶器製の便器は急激な温度変化に弱く、ひび割れや破損の原因となります。最悪の場合、便器の交換が必要になり、十数万円の修理費用がかかるかもしれません。
給湯器の温度設定を利用するか、沸騰したお湯に水を足して温度を調整してください。手で触って「熱めのお風呂」くらいの温度が目安です。お湯の温度は必ず確認してから使用しましょう。
温度が高すぎる場合は同量の水を加えて調整しましょう。温度計がなくても、手で触って確認できる程度の温度であれば安全です。
また、冬場は便器が冷えているため、急激な温度変化でひび割れが起きやすい点に注意しましょう。
プロが教える!お湯を使ったトイレつまりの解消手順
トイレつまりをお湯で解消するには、正しい手順と安全対策が重要です。誤った方法で作業を行うと、水漏れや便器の破損など、より深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。ここでは、プロの水道技術者が実践している安全で効果的な解消手順をご紹介します。
事前の安全確認と準備物
まず、作業を始める前に以下の準備を整えましょう。
- ●トイレの止水栓を閉める
- ●床や壁が濡れるのを防ぐため、新聞紙やビニールシートを敷く
- ●ウォシュレットの電源を切る
作業前には以下のアイテムを準備しておきます。
- ●コップや柄杓(水汲み用)
- ●バケツ(お湯用)
- ●厚手のゴム手袋
- ●タオルや雑巾
特に集合住宅では、万が一の水漏れによる階下への被害を防ぐため、床の養生は念入りに行いましょう。
効果的なお湯の注ぎ方と水圧の活用
準備が整ったら、以下の手順で作業を進めます。
- 1.便器内の汚水をできるだけ取り除きます。コップや柄杓を使って8割程度まで水を減らしましょう。
- 2.40〜60℃のお湯をバケツに用意します。給湯器の温度設定を利用すると温度管理が簡単です。
- 3.お湯は一度に全部入れず、3〜4回に分けて注ぎます。腰の高さから、排水口めがけて真っ直ぐに注ぐことで水圧を活用できます。
便器から溢れない程度の量を見極めながら、徐々に流していくのがおすすめです。
つまり解消後の確認方法
つまりが解消されたかどうかは、以下の手順で慎重に確認します。
- 1.まず少量の水で流れ具合を試します。この時、勢いよく流れれば解消の兆しです。
- 2.通常のトイレと同じように水を流して様子を見ます。水の渦が力強く、スムーズに流れればつまりは解消されています。
- 3.最後に止水栓を開き、タンクに水を貯めて通常通り流せるか再度確認します。
もし1回目で解消しない場合は、同じ手順を2〜3回繰り返してみましょう。それでも改善が見られない場合は、無理な作業は避け、専門業者へ相談してください。
なお、つまりが解消された後も、しばらくは大量のトイレットペーパーを流すことは控えめにしておきましょう。
自分でできるトイレつまりの解消テクニック
お湯を使った方法以外にも、家庭でできるトイレつまりの解消法があります。身近な材料で試せる方法や、便利な道具を使った解消法をご紹介します。
重曹とクエン酸を使った解消法
家庭にある重曹とクエン酸を合わせた化学反応を利用して、つまりを解消できる方法を試してみかしょう可能性があります。
- 1.重曹を50g程度便器に入れる
- 2.クエン酸を同量入れる
- 3.お湯を1リットルほど注ぐ
- 4.15分ほど置いて様子を見る
- 5.水で流す
この方法は軽度のつまりに効果的です。発泡反応で生まれる炭酸ガスの力で、つまりを押し流す仕組みです。
ラバーカップの正しい使い方
ラバーカップ(スッポン)は、適切に使えば効果的なつまり解消道具です。
- 1.便器の水位を半分程度まで減らす
- 2.ラバーカップを排水口に密着させる
- 3.上下に5〜6回強く押し引きする
- 4.水を流して確認する
空気圧を利用するため、ラバーカップは便器に密着させてください。勢いをつけすぎると水が跳ねるので注意が必要です。
予防のために知っておきたいこと
日頃から以下の点に気をつければ、つまりを予防できます。
- ●トイレットペーパーは一度に大量に流さない
- ●ティッシュペーパーは使わない
- ●異物を流さない
- ●定期的な清掃を心がける
- ●便器や排水管の異常は早めにチェック
特に子どものいる家庭では、おもちゃなどを流さないよう注意しましょう。
便利な道具が揃う広島県内のホームセンター
カインズ 広島LECT店
住所:広島県広島市西区扇2丁目1-45
営業時間:9:00〜21:00
特徴:清潔な店内で水まわり用品が充実しています。スタッフの商品知識が豊富で相談しやすいです。
コーナン宇品店
住所:広島県広島市南区宇品西6丁目5番3号
営業時間:9:00〜21:00
特徴:DIYグッズが豊富で、水道修理用品のコーナーも充実しています。
DCM 川内店
住所:広島県広島市安佐南区川内5丁目1-22
営業時間:9:00〜20:00
特徴:水まわり用品の品揃えが豊富です。専門的な道具の取り扱いがあり、道具を揃えやすいでしょう。
コーナン広島祇園店
住所:広島県広島市安佐南区祇園6丁目1番1号
営業時間:9:00〜21:00
特徴:修理道具の品揃えが豊富です。水回り用品の専門コーナーが完備され、不明な点を質問しやすいです。
これらのホームセンターで、ラバーカップや配管洗浄剤など、トイレつまり対策に必要な道具をひと通り揃えておきましょう。
トイレつまりで業者に相談すべきケース
トイレつまりは、お湯を使う方法やラバーカップなど、自力での解消が可能なケースも多くあります。しかし、状況によっては素人の対処がかえって事態を悪化させることも少なくありません。そこで、水道修理のプロとして、業者への相談が必要なケースと放置が危険な症状についてご説明します。
自力での解消が危険なつまりの症状
以下のような症状が見られる場合は、すぐに専門業者へご相談ください。
- ●水を流すと便器から異音がする
- ●便器内の水が逆流する、または水位が上下する
- ●つまりを解消しても、すぐにつまってしまう
- ●トイレ以外の排水も流れが悪い
- ●複数の箇所で同時につまりが発生している
これらの症状には、建物の配管に重大な問題が隠れている可能性があります。無理な対処は配管の破損や水漏れを引き起こすリスクがあるため避けましょう。
放置すると重症化するトラブルの見分け方
以下のような状況は、放置すると深刻な問題に発展する可能性があるため特に注意しましょう。
- ●便器内の水が通常より減りにくい、または増えにくい
- ●排水時に異臭がする
- ●トイレ周辺の床がじめじめする
- ●便器と床の接合部に亀裂や隙間がある
- ●排水管から異音が聞こえる
これらの症状は、配管の劣化やつまりが進行している兆候です。早めに専門家に相談し、大がかりな工事や高額な修理に至らないようにしましょう。
特に集合住宅では、自室のトラブルが他の部屋にも影響を及ぼす可能性があります。共用部分の配管に問題がある場合は、建物全体に被害が広がる恐れもあるため、早急な対応が必要です。
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