水のコラム
給水管の種類と特徴|素材ごとのトラブル対策と修理のポイント

住宅の給水管には様々な種類があり、素材によって特徴や起こりやすいトラブルが異なります。古い建物では金属製の管が使われていることが多く、錆や腐食が原因で水漏れが発生するケースも少なくありません。
一方、新しい住宅では樹脂製の配管が主流となっており、耐久性や施工性に優れています。本記事では、給水管の種類ごとの特徴やトラブルの原因、自分でできる応急処置の方法について詳しく解説します。
給水管には様々な種類がある!素材による違いを知ろう
給水管は大きく分けて樹脂製と金属製の2種類があります。それぞれに長所と短所があり、建物の築年数によって使われている素材が異なるため、まずはご自宅の給水管がどの種類なのかを知ることが大切です。
現在主流の樹脂製給水管の特徴
現在の住宅では、樹脂製の給水管が広く使われています。代表的なものにポリエチレン管やHIVP管(耐衝撃性硬質塩ビ管)があり、軽量で施工しやすく、腐食しにくい点が大きなメリットです。
ポリエチレン管は耐久性に優れ、熱や振動にも強いため幅広い用途で使用されています。接着剤を使わず手で締め込める継手を使うため、施工が容易で、地震対策としても効果的な新世代の配管として注目されています。
HIVP管は塩化ビニル製で、古い鉄管の代替として普及しました。錆びない特性があり、加工しやすく費用も比較的安価ですが、急激な温度変化に弱いため高温のお湯を通す用途には適していません。その他にも、給湯配管に使われる架橋ポリエチレン管や、耐熱性を高めたHTVP管などがあります。
昔ながらの金属製給水管の特徴
築年数の古い建物では、鉄管や銅管、ステンレス鋼管といった金属製の給水管が使われています。鉄管は高い強度と耐圧性を持ち、かつては水道管の定番素材でしたが、最大のデメリットは錆びやすいことです。
長年使用すると内部に錆が発生し、赤茶色の水が出たり、錆によって管壁に小さな穴が開いて水漏れしたりすることがあります。特に亜鉛メッキ鋼管は、15~20年程度で内部腐食により寿命に達しやすいとされています。
銅管は耐熱性や耐食性が高く、抗菌性を持つ優秀な素材です。給湯管や冷暖房配管などで使われており、内部に錆や菌が発生しにくい利点があります。耐用年数は約50年程度とされ、金属管の中でも特に長寿命です。ステンレス鋼管は錆びにくく強度が高いため、建物内部の給水配管にも採用されています。
お住まいの給水管は何でできている?築年数で見る目安
一般的に、築20年以上の住宅では金属製の配管が使われている可能性が高く、築20年未満の比較的新しい住宅では樹脂製の配管が主流となっています。
特に築30年以上の建物では鉄管や亜鉛メッキ鋼管が使われていることが多く、内部の腐食が進行している恐れがあります。朝一番の水に赤茶色の錆が混じる場合や、水圧が以前より弱くなったと感じる場合は、給水管の劣化が進んでいるサインかもしれません。
ご自宅の給水管の種類を確認するには、水道メーター周辺の配管を見てみましょう。グレーや白色の管なら樹脂製、金属色の管なら金属製の可能性が高いです。ただし、壁の中や床下の配管は目視できないため、正確に把握するには専門業者に調査を依頼するのが確実です。
給水管のトラブルはなぜ起こる?主な原因と悪化のサイン

給水管のトラブルは、経年劣化や環境要因によって引き起こされることがほとんどです。素材ごとに弱点があり、それぞれ異なる原因で不具合が発生します。早期に発見して対処すれば被害を最小限に抑えられるため、トラブルの原因とサインを知っておくことが重要です。
金属製の管は錆びて穴が開く(ピンホール漏水)
金属製の給水管、特に鉄管や亜鉛メッキ鋼管では、長年の使用によって内壁に錆が発生し蓄積していきます。錆は管の内径を狭くして水圧を低下させるだけでなく、赤茶色の赤水の原因にもなります。
さらに進行すると管壁が薄くなり、ピンホールと呼ばれる小さな穴が開いて漏水につながります。亜鉛メッキ鋼管は15~20年程度で錆により漏れやすくなるとされており、築20年以上の住宅では特に注意が必要です。
腐食を放置すると漏水孔が拡大し、最終的には管が破裂するリスクもあります。また、漏水量が増えれば階下への浸水被害や建材の腐食、カビの発生など二次被害も深刻化していきます。水質が酸性寄りだったり塩素濃度が高かったりすると腐食が進みやすくなるため、水質にも影響します。
冬の寒さで管が凍って割れてしまう
冬季に気温が下がる地域では、給水管内部の水が凍結して氷になる際の体積膨張によって管が破裂することがあります。特に樹脂製の給水管は凍結時に割れやすい傾向があり、HIVP管などの樹脂管を寒冷地で露出配管する場合は十分な保温対策が必要です。
金属管でも凍結膨張には弱く、蛇口や継手部分で氷圧による破損が発生することがあります。断熱が不十分な屋外配管や、夜間の水抜きを忘れた場合は凍結しやすくなります。
凍結によるひび割れや破裂は、突然大量の漏水を引き起こすため即座の対応が必要な重大トラブルです。一度破裂すると断水するか大量の水が噴出し、住宅内部が水浸しになる被害が発生します。何度も凍結と融解を繰り返すと、材質の脆性破壊が進んでしまうため、寒冷地では配管の保温や水抜き習慣が欠かせません。
継ぎ目のゴムパッキンが劣化して水が滲む
給水管同士や蛇口との継手部分では、接合部に使われているパッキン(ゴムシール)の劣化によって水漏れが起きることがあります。振動や水圧の変動、長年の使用でナットの締め付けが緩んだり、パッキンが硬化・摩耗したりすると、わずかな隙間から水が滲み出します。
ポンプの水圧が高すぎる場合や頻繁な開閉操作による振動、築年数の経過によるガスケットの硬化などが悪化要因となります。これを放置すると漏れが徐々に拡大し、滴下が常態化して周囲にカビが生えたり木材を腐らせたりします。
特に床下や壁内の継手漏れは気づきにくく、知らないうちに放置してしまうと構造体の腐食やシロアリ被害につながるケースもあるため注意が必要です。蛇口の根元やシャワーホースの接続部から水が滲んでいる場合は、パッキン交換で対応できることが多いですが、配管内部の継手は専門業者に依頼したほうが安全です。
地震や衝撃で管にひびが入ることも
外力や経年劣化によって、配管そのものにクラック(ひび)が入ることもあります。地震や地盤沈下、工事時の衝撃で配管に力が加わったり、経年で樹脂管が脆くなって割れたりするケースです。
ポリエチレン管は基本的に丈夫ですが、直射日光(紫外線)に長期間さらされると劣化して微細な穴あきが発生することがあります。また古い塩ビ管は衝撃で亀裂が入り、割れやすくなる傾向があります。
配管の露出部分が紫外線や温度変化にさらされる環境や、防護なしで車両の荷重がかかる場所に埋設されている場合は特に注意が必要です。ひび割れを放置すると、そこから漏水して周囲の土壌を洗掘し、さらに配管に負荷をかけて破断を招きます。屋外埋設管の漏水を放置すると、地盤沈下や家屋基礎への影響も出かねません。
「こんな症状が出たら要注意」早期発見のポイント
給水管トラブルの初期兆候を見逃さないことが、被害を最小限に抑える鍵となります。代表的なサインとしては、蛇口からポタポタと水が漏れる、配管や継手部分からわずかに滲んでいる、朝一番の水に赤茶色の錆が混じる、水圧が以前より弱くなった、などが挙げられます。
特に注意したいのが水道料金の急な増加です。どこかで漏水しているサインであり、全ての蛇口を閉めた状態で水道メーターのパイロット(コマ)が回っていれば漏水が疑われます。
赤水や濁り水は鉄管内部の錆劣化を示す典型的な症状で、放置すると給湯器や洗濯機にも不具合を与える可能性があります。水圧低下も管内の錆詰まりや漏水による圧力損失の兆候です。こうした症状を見逃さず早めに対処すれば、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。定期的に水道メーターや配管周辺をチェックする習慣をつけましょう。
軽いトラブルなら自分で対処できる?応急処置の方法

軽度な給水管トラブルであれば、専門業者を呼ぶ前に自分で応急処置や簡単な修理を行える場合もあります。ただし、誤った対処は状況を悪化させる恐れがあるため、正しい手順と注意点を理解してから作業に取りかかることが重要です。
作業前に必ずやること:水を止めて安全確保
どんな修理方法でも、最初に必ず止水してください。給水管は水圧がかかっているため、元栓や該当箇所の止水栓を閉めずに作業すると水が噴き出して危険です。
水道メーターの元栓または室内各所の止水栓を締めて、水を止めてから対処しましょう。水漏れが多いままだと水道代も無駄になりますし、作業中に家電などへ水がかかると故障の原因にもなります。
止水したら、作業中は濡れて困る電気製品のコンセントを抜き、防水手袋を着用し、周囲にタオルやバケツを用意するなど安全面に配慮します。漏水箇所によっては感電や滑って転倒する危険もあるため、慎重に進めてください。また、作業スペースを十分に確保し、必要な工具をあらかじめ準備しておくとスムーズに作業できます。
ナットを締め直して漏れを止める方法
パイプとパイプの接続部(ナット結合部)から水が漏れている場合、接合ナットが緩んでいないか確認しましょう。モンキーレンチやスパナでナットを時計回りに少し増し締めすることで、水漏れが止まることがあります。
ただし締めすぎには注意が必要です。金属管のナットは強く締めすぎるとネジ山を潰してしまい、樹脂管の継手では逆に割ってしまう恐れがあります。
「スキマがなくなり手応えが少し重くなる程度」で止めて、まだ漏れるようなら他の原因を疑いましょう。ナット部分に錆や汚れが付着している場合は、軽く拭き取ってから締め直すと効果的です。それでも漏水が止まらない場合は、パッキンの劣化や配管自体の損傷が考えられるため、専門業者に相談したほうが安全です。
ゴムパッキンを交換する手順
蛇口や配管継手のゴムパッキンが劣化して滴漏れしている場合は、パッキンを新品に交換する方法があります。蛇口の根元やシャワーホース接続部からの漏れは、パッキン交換で直せる典型例です。
必要な道具はモンキーレンチ(カバーナットを外す)とマイナスドライバー(古いパッキンを取り出す)です。ホームセンターで適合するサイズのパッキンを購入し、古いものと入れ替えます。
作業手順としては、まず該当箇所のナットをレンチで緩めて外し、古いパッキンをドライバーで取り出します。取り付け面の汚れやゴミをきれいに拭き取ってから、新しいパッキンを正しい向きで装着し、ナットをしっかり締め直します。水を出して漏れが止まれば成功です。パッキンは数十円から数百円程度で購入でき、自分でできる範囲の代表的な修理方法といえます。
補修テープやパテで一時的に穴を塞ぐ
配管にひび割れやピンホールがある場合、専用の水漏れ補修テープやエポキシパテで穴を塞ぐ応急措置が可能です。補修テープは自己融着テープ(シリコン系テープ)などが市販されており、引っ張りながら隙間なく巻き付けることで水漏れを一時的に止めます。
テープは引っ張りつつ巻くのがポイントで、幅広のテープは凹凸部にシワが寄りやすいため注意が必要です。パテは金属管用の硬化型パテなどがあり、粘土状に練って穴を塞ぐように盛り付けて固めます。
価格はテープもパテも500円から2,000円程度と手頃なため、緊急時に備えて準備しておくと安心です。ただし、これらはあくまで応急処置であり完全な修復ではありません。小さな漏れも時間とともに大きくなり、補修材では防げなくなることもあります。時間稼ぎと考えて、落ち着いて適切な解決策を検討しましょう。
応急処置で「やってはいけないこと」
応急処置において最も重要なのは、水を止めずに作業することは絶対に避けることです。また、誤った部品や材料の使用、例えば水道用でないテープや接着剤を使うとトラブルを悪化させます。
応急処置後も水漏れが完全には止まらない場合、そのまま放置せず必ず専門業者に連絡しましょう。修理中に部品を破損させたり元に戻せなくなったりすると状況が悪化するため、固着したナットが外れないときに無理に力をかけない、分解してみたものの組み立てられなくなるようなら途中でもプロに頼む決断をすることが大切です。
正しい方法を知らずに修理すると逆に大きなトラブルを招くこともあるため、自信がない場合や少しでも不安な場合は、無理をせず専門業者へ相談してください。特に配管そのものの交換工事は、水道法施行令により国家資格を持つ者が行う必要があり、無資格で行うと罰則の対象となるため注意が必要です。
DIY修理に便利!広島県内の大型ホームセンター
給水管の修理やDIYに必要な部材や道具を揃えるには、ホームセンターの活用が便利です。広島県内には大型のホームセンターが多数あり、パッキンや補修テープ、工具などが豊富に揃っています。
以下、広島県内で特に利用しやすい代表的なホームセンターをご紹介します。訪問前に営業時間などの最新情報を確認することをおすすめします。
カインズ 広島LECT店
住所:広島県広島市西区扇2丁目1-45
営業時間:月~土 9:00~21:00
広島最大級の売り場面積を持つ大型ホームセンターで、DIY用品から日用品まで多彩な商品が揃います。カインズオリジナルの手頃な価格製品も人気で、大型駐車場を完備しています。
コーナン 宇品店
住所:広島県広島市南区宇品西6丁目5-3
営業時間:9:00~21:00(年中無休)
DIY工具から園芸用品まで幅広く取り扱う大型店です。木材や金属のカットサービス、電動工具のレンタルも行っており、本格DIYユーザーに頼もしい設備が整っています。
西村ジョイ 八木店
住所:広島県広島市安佐南区八木2-3-40
営業時間:9:00~19:30
木材や建築資材の品揃えが充実しており、プロ向けの材料や工具も豊富に揃います。工具のレンタルブースがあり、専門知識豊富なスタッフが商品の選び方や使い方を気軽に相談できます。
DCM 観音新町店
住所:広島県広島市西区観音新町4丁目6-10
営業時間:9:00~20:00
広々と明るい店内に掃除用品、園芸植物、工具、ペット用品まで幅広いアイテムが揃っています。通路広めでベビーカーや車椅子でも回りやすい設計で、家族連れにも優しい店舗です。
コーナン 広島祇園店
住所:広島県広島市安佐南区祇園6丁目1-1
営業時間:9:00~21:00
商品ジャンルが非常に幅広く、同じ用途の商品でも異なるメーカーや仕様から選択できる充実ぶりが魅力です。水道コーナーでも複数メーカーのパッキンや工具を比較して選べます。
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